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静岡県内シラス品薄、高値続く　春漁最終盤「高品質特に少なく」

　全国有数のシラス水揚げ高を誇る静岡県内で、春漁が最終盤を迎えた。漁獲量は5月以降にやや回復したものの、低水準だった前年をさらに下回り、取引価格は高値が続いている。複数の加工販売業者によると、高品質のシラスは特に品薄感が強く、仕入れに苦慮しているという。

　県水産技術研究所（焼津市）によると、県内主要6漁港（舞阪、新居、福田、御前崎、吉田、用宗）の総漁獲量は年間8千トン前後で推移してきたが、2017年度は4557トン、18年度は5306トンと2年連続で低迷。潮の流れが大きく変わる「黒潮大蛇行」の影響とみられ、3月21日に解禁された19年度漁は5月末時点で2241トンと、前年同期を30・9％下回っている。

　水揚げ高が県内最多の舞阪漁港（浜松市西区）では今期、最高で平年値の2・6倍を超える単価が付き、現在も平年を上回る価格で取引されている。地元の加工販売業者は「色が真っ白で食感のよい高品質のシラスは特に量が少なく、価格がつり上がっている」と打ち明ける。

　用宗漁港（静岡市駿河区）でシラスを仕入れる県中部の加工販売業者は「2年前から取引価格が上がり、販売価格に転嫁した。今年も高値が続き、値下げには踏み切れない」と苦悩する。

　シラスはイワシの稚魚で、県内は回遊状況から春漁（4～6月）と秋漁（9～11月）の年2回、盛期を迎える。舞阪漁港に水揚げする浜名漁協（浜松市西区）の河合和弘組合長は「春漁は同じ遠州灘でも場所によって漁獲量や品質に差が出た。水揚げが増えるよう秋漁に期待したい」と話す。

掲載URL：https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190626-00000012-at_s-l22